適度にドライブした後、

 

二輪車を駐車した。

 

意外だな、と感じた。

 

アオイは服に興味が無いわけではない。

 

ただ――。

 

店内に入る前に、肩から

 

アオイの提げている鞄にダイブする。

 

いつものように

 

アオイは二輪車をポーチに入れて、

 

入り口付近に置いてあった籠を取った。

 

店内に入って服を物色する。

 











 

店の中に入ると、

 

店員さんが一人でレジに座っていた。

 

「いらっしゃいませ~」と

 

こちらに愛想を向けてきたので、

 

アオイは一礼して服の方に視線を戻した。

 

「これ、ください」

 

物色し終えたアオイが

 

会計をしようと財布を取り出した。

 

店員さんは

 

籠に入っていた服を取り出すなり、

 

アオイの顔を見て眉根を下げた。

 











 

「あ、いや。旅人さん、それは――」

 

首を捻りながら、

 

店員さんが唇を噛んだ。

 

「ひょっとして、

 

 ダメなんですか?非売品とか」

 

「あ、ええ。そうなんです。

 

 ここに並んでるものは非売品で――」

 

「そうですか。

 

 良いデザインなのに残念です」

 

 

一瞬、アオイと視線が合う。

 

慌てて鞄の中から

 

顔を隠し、耳を澄ませた。

 

こういう店で俺が顔を出すのは

 

あまり宜しくないと

 

以前に注意されていた。

 

話から察するに、

 

服の何枚か或いは全部が買えないのか。