『学校にテロ‼築かれた死体の山‼』

 

小さな文字でびっしりと埋め尽くされた新聞は相変わらず、世間を賑わせている。

 

自分の通っている学校での出来事も、

 

こうしてメディアによって広まってしまえば、他人事のように思えた。

 

掃除してあるとは言っても、おそらく完全には汚れを取ることは難しいだろう。

 

事件から数日経った今も、クラスメイトの何人かは取材を求められるらしい。

 

実際、取材を求められたこともあった。

 

それには応じずに「すみません」と言ってその場を去る。

 

記者は別に気にすることも無く、次の人に取材を求めるのだ。



人の不幸を題材にしたテレビ番組は数知れない。

 

それの良し悪しすらも判断することが出来なくなりつつある。

 

それはとても悲しいことだ。

 

しかし、やがてこの感情すらも薄れて行ってしまうのだろう。

 

人が何処かで死ぬと言うことに対して、聞き慣れる。

 

それは、人として一番失ってはいけないものだ。

 

それを分かった上で、生きなければならない。

 

人の死を背負って生きる覚悟が出来ているのか。

 

問われれば、答えられるのか。

 

その質問者の口を塞ぐことだって容易に出来る人間は、単純な思考回路によって、新たな悲劇を生み落としていく。

 

いつ失うかを知っていれば、最初からもっと大事にしたに違いないだろうが。

 

望んで手に入れた力を、時には恨みながら、今日も、これからも、工藤は生きて行く。





 

人。

 

誰もが嫌う、霊長類の一種。

 

動物・植物から命を奪う悪魔。

 

生態系を破壊しながら、生きている。

 

人が存在し始めたのは、他の動植物と比べて大分遅い。

 

七千万年前位に人の原型となるものが誕生した。

 

そして、その頃からつい数年前まで全動植物は、その人に苦しめられてきた。

 

しかし、ここ数年、人は見かけなくなった。

 

世界中に七十億人、巣食い存在していた人は、世界から忽然と姿を消したのだ。

 

理由は未だに明確になっていない。

 

しかし、動植物によって議論されることでもない。

 

種が一つ滅亡したというのに、全動物達は気にも留めなかった。

 

寧ろ彼らは人がいなくなったことで、喜んだものも多い。

 

人という生き物が、理由も分からずに、滅んだというのに。