「何しやがる!?この野――」

 

工藤は男の首を右拳で思いっきり殴りつけた。

 

鈍い音と共に、男は静かになる。

 

自分もクラスメイトも、何が起こったのか分からなかった。

 

男の両腕を背中に回して工藤は男の背中を探り、男の持っていた手錠を掛けた。

 

そのまま背を向けて、工藤は廊下へ繋がる扉を開ける。



工藤が教室の扉を閉めた時、ようやく我に返った。

 

工藤を追おうとした時、廊下に声が木霊する。

 

「誰だ?!誰がやりやがった!!」

 

廊下に響く大声。

 

工藤が見つかったら殺される。

 

そう思って、扉を開けようとした時だった。



大きな荷物が崩れ落ちたような音が反響する。

 

おそるおそる扉を開けて覗いてみると、工藤が立っていた。

 

無事だったかと思うよりも先に、

 

工藤の前で男の仲間と思われる人が倒れているのが目に飛び込んできた。

 

「どういうこと?」

 

口から漏れ出る声に工藤が反応する。

 

額に一瞬皺が出来たが、工藤はすっと表情を元に戻した。

 

「何かよく分かんないけど、静かになった。

 

 教室に戻ってなよ。あまりグロいもの見たくないだろ?」

 

工藤が指差した先を何気なく目で追ってしまう。

 

指で示された先にあったのは、クラスメイトだった人の体。

 

普通と違う所と言えば、頭部が見当たらないということ。

 

途端に吐き気が込み上げてきた。

 

慌てて口元を手で抑える。

 

工藤は自分の様子を見ながら、軽く頷いて目を閉じた。