教室中に低い声が響く。

 

男は左手の銃を一人の生徒に突き付けていた。

 

自分の左後ろの辺りにいるクラスメイトがゆっくりと前へ出る。

 

「俺は携帯を出せって言ったよな?

 

二台持ってるなら、二台出せってことも、分からなかったのか?」

 

自分達の前に出て来たクラスメイトは喧嘩が学年で喧嘩が強いとされるうちの一人だった。

 

チッと舌打ちをして面倒臭そうに前に歩み出る。

 

「一台は出したか――」

 

男は話を聞こうとせず、右手に持っていたマシンガンで殴りつけた。

 

鈍い音と共に床に崩れ落ちる。

 

一瞬、女子が悲鳴を上げそうになったが、

 

持っていたハンドガンが地面に向けて火を噴くと、恐怖のあまり声を失った。



覆面越しでも容易に分かる。

 

男は目と眉の距離を縮めて睨みを利かせていた。

 

倒れているクラスメイトに唾棄する。

 

「お前みたいな奴が、俺は一番嫌いなんだよ」

 

痛みに呻くクラスメイトの頭を掴み、廊下に連れて行く。

 

彼がどうされるのか。

 

自分が頭の片隅で、こうならなければ良いのにと願っていた最悪のシナリオ。

 

轟音が残酷な現実を物語った。



廊下に連れて行かれたクラスメイトの姿は曇りガラス越しにしか見えなかった。

 

立たされているということだけ分かる。

 

しかし、銃声と共に目線の先にあった彼の頭部は消えた。

 

廊下に崩れ落ちる彼。

 

そして何が起こったのかを示すのは、曇りガラスに飛び散った、夥しい量の彼の血。

 

それが何を意味するのかは、教室内で震えている全員が理解していた。