「俺、多分その時間帯、ゲームしてたかも」

 

「何か、興味無さそうだな、工藤。らしくない」

 

「何だよ、それ。別にいつも通り、通常運転だって――」

 

工藤がふてくされたように言葉を発した、その時だった。

 

廊下に轟音が響き渡る。

 

恐怖に満ちた表情で悲鳴を上げ、教室に入って来るクラスメイト。

 

教室に居た自分達にはイマイチ状況が理解出来ないでいた。



その疑問を解消するように教室に入って来たのは、

 

黒の覆面をした、頑丈そうな男だった。

 

「騒ぐな!」

 

男が右手に持っていたものはマシンガンだった。天井に向けて乱射する。

 

耳を塞ぎ、咄嗟に教室内の人間は全員、身を屈めた。

 

「この学校は俺達が占拠した。騒いだり、変なことをしようとした奴らは皆殺しにする」

 

左手でハンドガンを向けながら威圧してくる。

 

「携帯を弄って警察を呼んだら…どうなるか分かってんだろうな!?」

 

銃口を自分達に向けて携帯を出すよう命じられ、自分達は従った。

 

気付くと、自分達は部屋の隅に集められている。

 

恐怖に怯えるとはこういうことなのか。

 

立ってはいたが自分の膝は笑っていた。

 

携帯を取り上げてられてはいたが、何人かは二台持っているのを知っていた。

 

彼らが素直に持っている携帯を全て差し出しているのか。

 

要らないことはしないでほしいと心から願う。



惨劇は、テレビで観るだけでいい。

 

頼むから、目の前で起こってくれるな。

 

一生モノのトラウマになる。

 

誰も殺されないこと、切にそれを願っていた。

 

今、死ぬわけにはいかない。

 

まだ、人生はこれからだ。だから――。

 

「お前、前へ出ろ」