「何だその態度は――」

キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。

手越がツカツカと音を立てて歩き出した時、

授業終了を知らせるチャイムが鳴る。

手越は鼻を鳴らして教壇へ戻ると、目を三角にした。



「お前達が今度、先生に無礼を働いたら、

連帯責任として全員反省文を提出させるからな!」

チョークを乱雑にケースへ投げ入れると、

教室から手越は出て行った。

手越が出て行ったのを確認してから

クラスメイトは席を離れたり、

普段のほのぼのとした時間へと移行する。



「アレはお前が悪いぞ、衛」

声を掛けて来たのは、工藤康行。

親友みたいなものだ。

目元にかかる髪の毛を髪留めで上げているため、

表情が分かり易かった。

「もう少し、静かに寝ろよな」

俺、鼾掻いてたのか?!

気持ちを読み取ったように、工藤は無言のまま首を縦に振った。

「そうと分かってれば、授業中に寝ることなんてねえよ」

過ぎ去った時間は戻らない。

起きた時に聞こえた小さな笑いはそういう意味だったのか。

思うと少し体が遅れて熱を帯びてくる。

「ははっ!」と笑いながら工藤は体の前で手を振った。